彼氏のポジション

日本人だけではないと思うのだけれど、物事をランキング付けしたりされたりするというのは、あちこちで見かけること。

 

当店お土産売り上げランキングだとか、今週のCD売り上げランキング、人気スイーツランキングなどなど、品数が多ければ多いほど、どれを選んでいいかわからないお客さんに、アドバイスになりそうなランキング。これを買っとくと損はしないから、お得だよと訴えかける。

 

テレビにおいてもランキング番組は多い。ランキングだけで成立している番組まであるくらい。あまりテレビ番組を見なくなって久しいので、最近でもやっているのかどうかは知らないけれど、温泉ランキングだとか、ジャンクフードランキングだとか、映画ランキング、書籍ランキング、人気文房具ランキングなどなど、売っているもの、行ける場所等々、何でもランキング形式でお知らせする。

 

 

でも、すでに多くの視聴者、ほとんどのお客さんは気が付いている。そこには「ランキング作成者の意図」が、多分に含まれていることを。

Aミュージック提供の音楽ランキング番組にB音楽産業の楽曲が上位に入っていることはないとかいうのをはじめとして、お店でランキング付されているものの多くは、本当の売れ筋ランキングではなく、お店が売りたいものランキングだったり。

わかりやすいところでは、その数値的根拠を示さずしてランキングを提示する。もうこれは根拠も何もない。わかりにくいところでは、数値的根拠は示すけれども、その数値の集め方に偏りがあるものも。これは注意してみればわかる場合もあるけれど、巧妙に隠されている場合も多い。

私企業だけでなく、公的機関が提示する数値にしても、多かれ少なかれ、その数値のまとめ方に意図は含まれる。よく言われる例として、未だにカロリーベースで計算する自給率を目途にしている国とかね。まとめた人、まとめた組織の意図が見え隠れ。

 

 

そうまでしていろいろとランキング付けするというのは、それを行動指標にする人が多いということなのかもしれない。でもそれは、いわば「メリットデメリット考慮したうえで、誰かの意図に乗っかってもいいか」ということ。でも本当にデメリットまで考慮している人ってどのくらいいるのかな?

 

だけど本当にあなたが選びたいのは、「あなたにとっての」もっとも良いもの。それはたぶん、誰の意図をもってしても作ることはできない、あなただけのランキング。

そしてそれをあなたは自然に行っているはず。

 

あなたにとって一番の彼女は、たぶん今の彼女。

あなたにとって一番の彼氏は、たぶん今の彼氏。

あなたにとって一番かわいい子供は、あなたの子供。

 

今の彼女が日本で今何位なのか、なんてどうでもいいのだ。

今の彼氏が大学で何番目にかっこいい、なんてどうでもいいのだ。

うちの子供が、学校で何番目にかわいい、なんて誰がつけたかわからないランキングはどうでもいいのだ。

 

そんな誰も作らない、でも自分にとってもっとも価値あるランキング。

そんな、自分のランキングを、自分の中の他のところでももっと広げることができれば、もう少し幸せが広がるんじゃないかな。他人のランク付けに乗る必要がないところで、わざわざランクを借りる必要はない。