コスト削減

デジタルカメラ全盛の時代。

うまい人/プロは数を打つ必要がない。

最低限の手数で、ほぼ最高の成果を紡ぎだす。

 

うまくない人/アマは何度もやり直したりする。一度ではうまくできない。あーあっちが失敗した、あぁここはやっぱりこの方がいいけどあそこが…。

昔なら、やり直しコストが高かったかもしれないけれど、物事がデジタル化されてきた現在、多くの場面で、やり直しコストが劇的に下がったか、ほぼ0に等しくなった。よって、そんなアマでも“数”が打てるようになった。

 

それでもまだ、手数を打つためには時間がかかることが多い。プロとアマの違いは、そうした時間に出る場合が確かにある。

だが、アマの場合の利点は、時間に縛られず、納得いくまで時間をかけられることでもあったりする。プロは、短時間に一定以上の確実な成果を引き出すことではあるけれど、アマはアマで、時間をかけたとしても、時間以外のやり直しコストが下がったことで、いつか良いものが得られればいいと割り切ることもできる。

 

結果、今まで通りプロは短時間で良い成果を上げる。アマは数を打つことで、時間はかかるがプロ並みの成果を上げる。そして、アマは数を打つことで実質的にはそれ自体が“訓練”となり、やがて数を打たずとも成果が出る可能性が上がってくる。と、どんどんとプロのテクニックやレベルに近づく可能性が高まる。

 

こうして人々は、やればやるほどうまくなり、全体が底上げされ、へたな人がどんどん減っていく。要するに、やり直しコストとは経験コストの軽減。失敗した際のコストを低減することで、経験値が還元されて、みんなが得をする、全体レベルを引き上げるうまい仕組み。

 

- - - - -

 

一度の失敗で二度と浮かび上がれなくなると(現実にそうなのかどうかは別にして)思わせ続けている/信じ続けていることは、やり直しコストが高いことと等しい。さまざまなコストが下がってきている現在。さまざまな部分での“やり直しコスト”こそ、もっともっと下げなければならないコストじゃないだろうか。