ごみの捨て場所

寓話で有名な「王様の耳はロバの耳」。ひとりだけ王様の耳の秘密を知った床屋は、秘密を一人で黙っていることができずに、止むにやまれず、井戸に向かって叫んでしまう。

 

ちょっと刺激的なことを自分だけが知った時、誰にも言っちゃいけない、でも誰かには言いたい/秘密を共有したい、という欲望に駆られたりする。誰にも知られてはいけない、けれど本当に誰一人にも知られていないこと自体もいやだ。

だから「安全な誰か」に、「誰にも知られない誰か」に“知らせ”たくなる。吐き出したくなる。

 

匿名性の高い社会、秘密がそう簡単には広がらない社会、うっぷんや不満をぶちまけ、汚いもの、廃棄物、ゴミなどを吐き出す場所がほしくなる。でも一方では、国民一人一人にIDを付けて管理できるようにしようとしたり、別のIDをそれと紐づけようとしたりして、紐づいたところを引き出すと、ずるずると情報が引き出されたりもする。画像認識、過去の情報が蓄積され、判別能力があがったさまざまなシステムが周りで開発される。

 

そんな時、目の前に吐き出せる穴や場所が見つかったり、とりあえずゴミを貯蔵できるように見える穴が見つかったり。

「おーいでてこーい」

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