たるんどる

怒られる。

「気持ちがたるんどる!」

でも“たるむ”って、そんなに悪い事ですかね?

 

もしも皮膚がたるんでおらず、パツンパツンなら、多少は伸びるかもしれないけれど、すぐにプチンと切れてしまうだろう。身体中血だらけだな。

弦楽器は、演奏する際にはばっちりと弦を張って音を調整するけれど、張りっぱなしだと弦が伸びて、どんどん音がずれてしまう。

気持ちだって緊張し続けていれば、やがては集中力が持続できなくなるし、疲労するし、知力も体力も急激に消耗する。そもそも緩む/たるむ時間が必要ないというなら、カフェなんて必要ないわけで。

 

 

“張る”のは、必要なその瞬間でいい。それは必要なその時でいい。

ずーっとその状態をキープすることは、もしできるならそれもいいかもしれないが、事実上無理だ。いや、無理なだけではなく、それを強いることが危険でもあるということ。緊張は、緩和があるからこその緊張であり、張り続けるというのが常態であるなら、それは文字通り、ストレスがかかり続けていることを意味する。

 

気持ち?たるんでるからこそ、張るときがある。

もし張り続けていたとすると、もう伸び伸びで使えなくなる時が来るのも早いだろう。それに、張り続けているということは余裕もないということ。それはリスク耐性もほとんどないということ。

 

大事に使わなきゃ。タイミングと、力を見計らって。力を抜くとき、たるむことが必要な時。

で、時々張っておくと、いい感じで“音が鳴る”よ、きっと。