無駄と手数

無駄は無駄だ。するだけの価値のない事そのものだ。こいつは排除した方がいい。価値がないのにやっているとするならやるだけ無駄だ。

 

だが、それは“どの視点から見た価値”かは確認しておいた方がいい。すでに手慣れたものにとっては無駄であるかもしれないけれど、初心者にとっては、その意味を理解したり、手はずを覚えるという、十分な意味や価値を持つ場合もある。できるだけ早くモノや事を進めるためには、そうした初心者を入れること自体が間違いだが、学習効果を期待した瞬間に、そこには二つ以上の価値観が生じており、従来の無駄では判断できなくなる場面となる。

 

ということは、無駄とは、そこに潜む価値観において、ということが大前提となり、価値観が急に変わったり、付加されたりすることによって、無駄が無駄でなくなることは普通に起こりえる。

 

 

上司が無駄だと考えたとしても、現場では無駄ではないことはたくさんある。だから現場はそれを「やめる」事に、大きく抵抗する。

現場が無駄だと考えたとしても、上司は自分の経験から、それは無駄ではないと考えていることもある。だから現場ではその意味がわからず、「やる」事に大きく抵抗することがある。

 

要するに、きちんと価値観が伝わっていない時、その意味が理解されていない時、コミュニケーションギャップが存在する時、そこでの価値観は変わり、ある時には無駄に、ある時には有用な行動が存在する。