立場が作る言葉

断言する人がいる。

「○○は××なんです。」

胡散臭いと思うこともある。なんであんたが言い切れるのか?根拠は何?

 

でも、もし別のシーン、それは何かの習い事だったり、セミナーに話を聞きに行った時であれば、印象は変わるかもしれない。

「○○は××なんです。」

そうか、そうなんだ。なるほどね。

もちろん、たった一言で決まるわけではないだろう。そのしぐさや物腰、その他すべてが統合されて、それら印象を形作っていることがある。だがしかし、その場面において、聞く方も“期待している”形がある。話す方がそれにフィットしていて初めて、期待が満たされる。

 

これが反対の立場になった時。たとえば、日々は普通の話をしている時に、何か特別な要件として、みんなの前で発表してくれないかなどとゆだねられたとする。

だが、いきなりは断定的に話すことなど難しい。そもそもそういう形で話慣れていないのだ。日々、言質を取られないように、炎上しないようにという振る舞い求められることが多い中、断定的にいうことで、力を示し、真実味が増すというチャンネルには、突然切り替えられない。

 

しかし時々特別な人がいる。音がするように、パチーンと切り替わる人がいる。特技だと言ってもいいかもしれない。立場立場で話し方が切り替わり、求められる役柄、話し言葉が期待に沿う。

 

 

ポジションによって、話す相手によって、話し言葉を変えることができるのが大人だ。幼児に向けては幼児向けの、中学生に向けては中学生の理解できる話し方、話題に切り替えられる。

訓練で切り替えられるようにはなるだろうと思う。だが、職場でしみついた言葉というのは、なかなか抜けないものだと感じている今日この頃。

 

逆の意味を推測すれば、以前自分は、どういう話し言葉を用いることが求められていた立場だったのか?ということまでもが、如実にわかるというわけだ。