ウサギとカメ(1)

ある日ウサギが言いました。

「カメさんカメさん、あなたは歩みが遅いんですね。そんなに遅いと何かと不便でしょう。はっはっは :)」

そこでカメは言いました。

「いえいえ、そんなに不便なことはありませんよ。実は結構速いんです。なんなら私と競争してみますか?」

「じゃあ向こうの山のふもとまで、競争してみましょうか。ま、結果は明らかですけどね。」

 

そこで二人は早速競争してみることにしました。

よーいドン!

 

二人は同時に走り出しました。が、当然ながら、ウサギはぴょんぴょんと走って、すぐに遠くまで走り去るのに比べて、カメはのろのろと一歩ずつ進んでいきます。

ウサギはしばらく走ったところで後ろを振り返りました。ずっと後ろにカメの姿が小さく見えるかと思いきや、それさえも見えません。

「ふぅ。やっぱり私の方が早いじゃないか。これだけ離れていたらそうそうすぐには追いつくまい。ここらでちょっと休憩でもするかな。」

ウサギは木陰で一休みをすることにしました。

 

木陰の下でそよ風に吹かれながらの昼寝はとても気持ちがいいものです。ウサギはスヤスヤと眠ってしまいました。

 

 

どのくらい時間がたったのでしょうか。ふと目覚めてみると影が伸び始めています。

「危ない危ない、すっかり寝過ごすところだった。」

ウサギはあわてて起きだし、ぴょんぴょんと歩みを進めました。

どのくらい走ったでしょうか、ほどなくゴールにたどり着いたウサギ。無事にゴール。

「やっぱり私の方が早かったじゃないか」

一人悦に入るウサギでした。