ウサギとカメ(5)
ある日ウサギが言いました。
「カメさんカメさん、あなたは歩みが遅いんですね。そんなに遅いと何かと不便でしょう。はっはっは :)」
そこでカメは言いました。
「いえいえ、そんなに不便なことはありませんよ。実は結構速いんです。」
「じゃあ向こうの山のふもとまで、競争してみましょうか。ま、結果は明らかですけどね。」
「ちょちょっと待ってください!あなたはウサギだ。私はカメだ。ただ単に競争しても、生物としての違いが出るだけです。どうしてそもそも走るのが早いと言われているあなたが“ルール”を作るのですか?」
カメがウサギと競う意味はなんでしょうか?
そもそもカメがウサギとスピードを競わなければいけないでしょうか?
どちらがルールを作ればいいのでしょうか?それとも相談してともに納得できるルールを作り上げるべきなのでしょうか?
黙ってそのまま実行していれば、まず間違いなくウサギはカメにスピード競争で勝つでしょう。しかしそれに何の意味があるでしょうか?
もしかすると、何かの出来事で、カメはウサギに勝ってしまうかもしれません。が、今カメはそんな小さな可能性にかけなければいけないほどの意味があるでしょうか?
勝負に乗り出す前に、そもそもの勝負の意味、運用の意味をしっかり考えてしまうカメでした。