それが見ている方向

おいしい料理を食べに行く。ちょっといいお店にかぎらず、普通はお皿を回して料理の正面をこちらに向けてくれる。

確かに、見る角度によってモノの配置のバランスが悪かったり、見栄えがよくない確度もある。「見せる角度」が存在するのだ。

 

詳しくはないけれど、華道だってきっとそうだろう。見える角度、見られる角度を考慮して花を配置する。花の向き、葉の勢い、枝振りなどなど、そうしたことを加味したうえで、生ける花瓶や、鉢、床の間までそこに巻き込んでいく。

 

 

見栄えがいい、ということは、それらが総合的に「こちらに向く演出がなされている」ということ。見ているものである自分の方を向いている、見ている者に向けて、その姿かたちが考えられているということ。

 

…とすると、仏壇というのはどういうことなのだろうか?仏壇に花を生けるとしても、その花は「こちら」を向いていないか?お墓もそうだろう。誰の方向に、最も見栄えがいい形を見せているのだろう?見せたい人は誰?見たいと考えている相手はどこ?

 

反対になっているものもあるらしい。ラジオで言っていた。最近のご家庭の「出窓」では、外に向けてぬいぐるみが顔を向けていたり、外から見て楽しめるディスプレイがデザインされているらしい。少し出っ張っていることにより、そこに光を取り込み、家の内側に向けたインテリアとして使うのではなく、外に向かってアピールする飾り立てる場所になっている場面が増えつつあるそうだ。

 

既に今年も残りあと二か月。電飾する家庭が増え始める季節らしい。