やりたい時が、お買い時
パソコンの売れ行きが右肩下がりになりつつある半面、タブレット端末といったものが徐々に台頭し始める。
かつて、Windowsが世に出始めた当時には、こぞってそれに飛びついていたマニアもいたけれど、それは一部のマニア層にすぎなかった。
しかし、昨今のスマートホンブーム、さらに、電車の中でみんながスマートホンの画面を見ながらなにやら情報を探っているのか、コミュニケーションをしているのか(たぶん実際はゲームをしている人がほとんどだろうけれど)は分からないけれど、みんな、“時間をつぶせる”時代になりつつある。
そうなってくると、「ここはひとつわたくしでも、タブレット端末でも購入してみたいかも」と思ったところで不思議ではない。多分そのうちに、家電量販店では、キーボード付きのノートパソコンと、指先で画面をタッチできるタブレット端末の売り場面積が拮抗するときが、訪れるのもそう遠くないだろう。
その多くが「それを操作してみたい」という欲望に駆られている人が少なくないのだろう。だがまさにWindowsの発売の時がそうだったように、それを「触ってみたい」「触っている俺になってみたい」というのが第一義なのかもしれない。
本当は、それをつかって映画をたっぷり見てみたいだとか、写真をたくさん眺めたいとか、音楽を作ってみたいとか…そういったことがあった上で、「だから、タブレット端末ですね」「だからパソコンですね」となってほしいとメーカー側は思っていても、たぶんユーザーサイドは、「なんか指先でポチポチして、どこでも情報を操っているあれ、かっこいい。俺もあんなのやってみたい」というスタイルありき。でも実際の事を考えると「で、そこで何をポチポチする必要があるんだっけ?」と、「マシンの存在/スタイル」と「有用性」が分離されているのが悲しい性なのかもしれない。
「で、導入したいんだけど、何ができる?」
こんな質問をよく受ける。このご時世においても、だ。これが
「○○をしたいんだけど、これでできるのか?」
になったあたりがお買い時。
やりたいことはなんですか?
それとも、やっている格好をしたいだけですか?
そんなに自虐的にならなくてもいいじゃありませんか?
やりたいことをやりましょうよ。