あなたの記録

すでにテープメディアに録画や録音をしている人は、かなり少数派になっているであろう現在。でもたぶん、それを扱っている多くの人が、いったいHDDとは、シリコンメディアとは、いったいどのように音や映像が記録されているのかなんて、知る由もなかったりする。

 

HDDは4年は大丈夫だ、なんて情報が出たりしているけれど、じゃあ5年たったらそこに入っている情報、文章や写真、音楽、映像はどうなるだろう?

そもそも、5年後に、それをそのメディアから拾い出せるだろうか?

 

コンパクトカセットやCDというメディアのすごいところは、今でもそれらが再生できる装置が、それなりに作り続けられているということ。メーカーとしてはほとんど儲けが出ていないのだろうけれど、ユーザーとしては、この意味は非常に大きい。

 

エヴァンゲリオン碇シンジ君ご愛用のDAT。今まともに再生できるデッキをお持ちの方は、いったいどのくらいいるだろう?そもそも、それなに?って人がいても、おかしくなくなってきてる。レーザーディスクを再生できる装置をお持ちの方は、どのくらいいるだろう?βのデッキって見たことある?

10年前のHDDは、今のパソコンにつないで再生できるだろうか?そもそも、接続方式が違っているなんていう装置、SCSIなんて名前、今どき聞いたことがないんじゃないだろうか?

 

あなたの記録したものは、これからどこに残していくのか?

それは雲の向こうでいいのか?

デコーダーを介さなければ見たり聞いたりできない装置が生まれた時から、このデコーダー生産にかかわる問題は生まれ続けてきた。いったんは消えたかと思われたアナログ盤レコードプレーヤーも、やっぱり再生産され始めたりもした。

 

すでに自分が生まれてからの写真やビデオは、すべてデジタルだという子供たちが多く出始めている。そして今から10年後20年後、それらを拾い出せる世界が、機器が存在し続けていることを、切に望む。