小さく

現代はスピードの時代。いかに早く結果を出すか、いかに早く成果を生むかが問われる時代。

 

…というのなら、小さく行うというのが常套手段だというのは、誰が考えてもすぐにわかる事。

 

小さい事なら準備が少なくて済むことがほとんど。段取りも少なくて済み、検証内容だって時間がかからない。そして小さいことで経験を積むことで、万一失敗したところで痛手は少ない。大きくするためのシミュレーションとしての役割も果たすため、予行演習の意味も含まれる。

 

それをいきなり大きくやらなければいけない、一発でやり遂げなければならないとなるからこそ、時間もかかるし、段取りだって膨大になる。

いや、そんな大きなことができる組織、できる力量が備わっているのならそれでもいいだろう。だがそもそも、これほど個人の志向が多様化し、あらゆる分野でのメガヒットを生み出しにくい状況で、そのメガヒットばかりを狙う、ホームランばかりを狙う集団になっている事こそ、愚の骨頂ではないだろうか?

 

チームのすべてのメンバーが、すべて「ホームランバッター」で構成すれば、どんな試合にだって勝てるのなら、誰も苦労はしない。シングルヒットしか打たないが、その場面では確実に打てる者もいて、バントは確実にこなす者もいて、走塁が天才的にうまい者がいて、それらの個性が寄せ集まってはじめてチームとなり、成果が生み出せる。

 

小さく、多様な個性の寄せ集めで、そして臨機応変に対応できる。

そんな集団をうまく作れる事こそ、これからの時代を乗り越えていける、ひとつのやり方。