リスクの所在

あるPodcastを聞いていたら、彼はこう言っていた。

今は、大企業に就職すること自体が、リスクを避けているのではなく、後回しにして、一番やばいときにそれを受け取らなければならなくなっているのではないか、と。

 

いや、大企業に入った人全員が、というわけではないだろう。今やどこかの企業に入って、人生として仕事からリタイアするまで、その1つの企業で仕事をやりきるという人生を歩む人は、たぶんマイナーになりつつある。と考えれば、いわゆるリストラというのは誰もが経験すること。それを30代40代ではじめて経験するのか、それとも50代60代ではじめて経験するのか、といった違いでしかない。

そしてそうなった時、さて再就職できるでしょうかね?ということが大きなリスクの一つだ。

 

小さな企業で働いていたなら、それこそさまざまな仕事をせざるを得ない。突き詰めた一つを深く経験することは少ないかもしれないけれど、いわゆる一つの仕事に対して最初から最後までを経験することになる。

大企業なら、一つの分野、たとえば経理だとか、筐体設計だとか、国別規制対象、特許、人事、ソフトウェア開発等々、その道のプロフェッショナルになるという道もある。が、他にも社内政治をうまく乗りこなしたり、社内調整を頻繁に、という業務も実際には存在する。

そんな後者の政治的仕事のみを中心にしていて、さて、再就職で語れるものは何になるだろう?コミュニケーション技術?ファシリテーション技術?そう語れるほどにまで突き詰められれば、それはそれで大きな技術にもなるけれど、どれほどの方がそこまで突き詰められているだろう?

 

と考えると、ふとその時になった瞬間に、今やっていること、今持っている何かが売りとしてのスキルになりえるかどうか。今の自分のアピールできるものはなんなのか?ということを常に考えられていなければ、これは大企業、零細企業に限らず、大きなリスクを背負っているということじゃないだろうか?

 

だって、もう公務員だってリストラされかねない状況だよ。そもそもの人口が減り続けるんだから、公務員だって数を減らさざるを得ない。と考えれば、みんな何かを生み出し続けなければ、価値のあるモノのみならず、サービスを生み出さなければいけないのは必然でしょ。そのリスクをいつひっかぶる気があるか、その覚悟をどこでするのかということっぽい。

一生そのリスクを回避し続けるのは、とても難しい時代なのだから、何処かで対峙しなきゃならない。

それをいつにする?自分からそのステージに登るか、ステージに乗せられるのか。

都合のいい時に、乗りたいとすれば…。