降ってくるのか、取りに行くのか
ジョブフェアという催しがある。求職活動といえばエントリーシートを登録したり、履歴書を送ったりという作業だけではない。大手の企業は多くの人に認知されているために、黙っていてもそうして仕事を求める人からのアプローチがあるけれど、中小企業はそうはいかない。となると、自分から人を取りにいかないといけない。
ただ、そんな小さな企業が一人で催しを開いたところで集まらない。ということで、求職あっせん会社の思惑も合致して、中小企業をたくさん集めて、そうした会社の関係者と、求職者を、直接出会わせる場、それがジョブフェアだ。
会社の側からすると、いろんな人を直接見ることができる機会となる。一社だけではなかなか集められない、情報発信したところでリーチできない人たちに、情報を発信することができる。
求職者の側からすれば、書類選考をとりあえず飛び越えて会社の人事担当者と直接話をすることができる。履歴書や職務経歴書がうまく書けずに苦労していたり、書類選考でことごとく苦戦している人にとっては、まず話を聞いてもらえるというのは願ったりかなったり。
…なのだが、当然ながら勘違いしている者もある。それは会社も、求職者も、たぶんどちらもだ。
そんなに有名な会社でもなく、名前もとおっていないにもかかわらず、非常にハードルが高い人を求めている会社。景気が良さげになっている今、中小企業にとってはある意味苦境だ。大手がとりあえず人を確保してかっさらっていく。そんな時に、本当に人が必要なら、どこかに妥協点を見出す必要があるんじゃないだろうか?
求職者の側もまた同じだ。自分がやりたい事もわからず、人事担当者と話をして、「で、私のできる仕事はあるでしょうか?」なんて聞いているうちは、到底受かるとは思えない。反対に、「ほほぉ、お宅はそういう会社ですか。なるほど。私のようなスキルが必要ならぜひご連絡くださいな。」といった、ある種上から目線の求職者(という言葉自体が矛盾していそうだが、実際そういう人がいるのだ)という立場がよくわかっていない人までいる。まぁそういう人はきっと、以前の会社では、いい役職にいたんだろうけれど…。
やれる事を探すのか?やりたい事を探すのか?
自分が見えている?それとも誰かに見つけてもらう?
仕事は探さずとも降ってくるのか、探してやっと与えられるのか。
立場によって考えるべきことは違うだろ?
新卒入社なら、とりあえずやれる事を探しちゃいけない。まずは働いてみてはいかがだろうか?
中途入社組はやりたい事を探さなきゃいけない。そしてやりたいことがやれるようにしていかないといけない。じゃなけりゃ、それまでの時間は何やって来たんだろう?そしてこれからは何をやる気ですか?
取るべき姿勢が間違っていたとしたら、戦うにも戦えない。スタートラインに立つ意味を考えないと。