一周回って

家電王国日本において、家電メーカーのテレビの事業がやばい状況に陥っているのは、なにもここ数年に始まったことではなく。

 

すでに10年以上前からわかっていたにもかかわらず、相変わらず高画素化、高画質化のみの方向へ必死で引っ張っていったこの世界。

結果どうなったかというと、消費者目線としては、大型液晶テレビがあれこんなに安く…なんていう世界が広がってうはうは。一昔前は、1インチ1万円なんて言っていたものが、今じゃ1インチ1千円かという価格で売り出されていたりする。なんともメーカーは辛いはずだ。

 

国内メーカーのいくつかは、そうした競争についていけずにどんどん事業を縮小したり、そもそもテレビを取り扱うことから手を引いたり。

 

 

…ただし、そうして各社が破れていくことにより、残存者利益をむさぼれる世界が広がっているというのも一つの事実。

実際、アナログラジオの世界がそうした形で生き延びており、残存者である数社の実が、アナログラジオを製造し、売ることで、小さくとも確実に儲けを出していたりする。

 

テレビの世界が確実にそうなる…とは言い切れない。しかし、これだけテレビメーカーがスクリーニングされてくると、場合によってはそういう世界になることも。

 

ただ、残存者利益というのは、儲けは出るものの、事業規模がさほど大きくならないというのもまたひとつ。やはり「テレビ」というメディアが、次世代にどうやって生きていくのか、時代にどう馴染んでいくのかを、試されているのかもしれない。