それはあなたの部分でしかない

既に正社員という肩書が、事実上のある階級を表すような響きを持ち始めた今。

さらにそこに、いわゆる名前の通った一流企業となると、もう完全にそれ自体で、特権階級並みのステータスシンボルだ。

 

なんせ今の日本、いわゆる大会社と言われるのは、0.3%に過ぎないらしい。残りの99.3%は、言ってみれば、中小零細企業らしいのだ。

 

たぶん、多くの会社は兼業を禁止しているだろう。他の仕事を兼ねさせるのではなく、自分のところの仕事でぐっと絞り上げて収益を上げよう、こんな実態が透けて見える。

であるがゆえに、一人の人は、その会社ひとつにのみ、働き手として所属することになる。働くことで成果を上げるのも、失敗するのも、認められたり、叱られたり、すべてがそこでの評価のみ。

 

 

そこで認められたり、成功をおさめられればそれに越したことはない。

しかし、そこがもし本当にその人に合っていなかったり、その人の希望する内容でなかった場合はどうすればいいのだろう?ただそこで働かざるを得ない状況であるそれだけで、その人の価値が蔑まれてしまうことになりかねない。

 

相撲が好きで大ファンであっても、小さくて体重も軽い者が、関取にはなれない。たとえ相撲部屋に入れたとしても、うだつが上がらない可能性は高い。

でももし、そんな小ささ、軽さを活かせるジョッキーになっていたら?もしかすると大成していたかもしれない。

逆もそうだ。馬が好きでジョッキーになりたくて養成学校に入ったとしても、太くて重くて大きな体では、そもそも馬で勝つことは無理だ。

 

そんな一つのところだけに、一度きりしかチャレンジできないというのは、そもそも大大ギャンブルでしかない。関取かジョッキーかなんてわかりやすい例ならまだしも、普通はなにに適性があるのかなんてわからない。

 

いくつかの仕事を試せるとか、いくつかを渡り歩ける制度があれば、そこであなたの才能が一気に花開く可能性だってある。

今のあなたが所属しているところでは、今のあなたの一部しか認められていない、引き出されていない可能性がある。

 

本当に適性を探して。

自分がやっていて充実感があることを求めて。