白い風景

会社の窓はすでに中の水蒸気がうっすらと結露して、外が見えない状況。いつもはそれでもコンクリート色と空の色がコントラストを付けて映し出される風景なのに、今のそれはただの薄いグレーのキャンバスのようにしか映っていなかった窓。

 

今どきはみんなネットで確認できる。交通状況や、電車の運行状況がどうなりつつあるのか、降雨、降雪情報がどうなっているのか。もっと進んでいる人は、自分が知りたい場所での映像がないか、ライブカメラを探したり。

 

駅の中はと言うと、さほど大きな混乱はなさそうだけれど、いつもの電光掲示板は、その列車の行く先情報は示すものの、発車時刻情報はさりげなく削られ始めている。

 

「本日の列車は、都合によりいつものn番線からn-1番線での発車に変更させていただいております」

なんて類の駅構内の案内で、ざわざわと人が動き出す。

 

たまたま、バレンタインデーというイベント日も重なり、皆の判断にも迷いが出たり、決断に遅れが出たりする。こんな日は、先に動いた方が得策だろう。

 

 

列車の中では、みなせっせとスマートホンを操作して、情報を取っているんだか発信しているんだか。それと思しき男女が会話する。あれ?止まってて帰れないかも。どっか泊まってく?あからさますぎるのは、嫌われるよw

 

 

早め早めに列車を乗り継いで乗換駅へ。地下のスーパーは、その時間にしては少し混んでいる感じはあるけれど、でもあまりいつもと変わらず。さっさと買い物を済ませ、自宅最寄り駅へ。

 

改札を抜け、駅前広場を抜ける。自宅近くの住宅街に近づくにつれ、踏みしめられた白い道は細くなり、だんだんと新雪を踏みしめるタイミングが増えていく。

車の轍もだんだんと細くなり、サクッサクッと10cm単位で沈む足跡を残しながら帰る帰り道。おかしい、ここ首都圏だよね?

 

 

何とか自宅へ帰り着いた後であっても、電車の遅延情報はぞくぞくと入り続け、あちこちで遅延、運転見合わせ情報が飛び交う。それでも運転再開に向けて頑張っている現場の人がいることを思うと、ムネアツなんだけど。

 

ベランダは1週間前以上の積雪に。あれ?前の雪全部消えてなかったんじゃなかったっけ?

 

寒い、疲れた…って言ってるけど、この雪や雨が止んだら、次は花粉が降ってくるんだぜ。どんだけムリゲーなんだろ、都会で働くって。