出会う力

今から20年ほど前、まだインターネットが広く人々の間にいきわたっていなかった時代。とはいえ検索エンジンと言う考え方はすでにアメリカででき始めていた。日本でも作られ始めていた。

今でこそ、わからないことはネットに聞け、ググレカスなんて言葉があるくらい、まずはこまったら検索エンジンで探すことが当たり前になりつつあるけれど、そういう道具がある事すら当たり前になったのはここ10年15年。それ以前の世界では、そうした情報に出会うためには文献に当たる、図書館に通うなどの方法しかなかった。それが今や、ポケットの中のスマートホンで、数秒もあれば探し当てられる時代になった。道具が一般的になったからだ。

 

それでもまだ一般的に広まっていない技術もある。あるフレーズの楽曲の演奏者/タイトル知りたい、ある映像の一コマがどんな番組か/映画かを知りたい、もう一度見たい、なんてのは、まだまだ探すのは大変だ。

 

 

先日、Podcastを聞いていた。海外のPodcastで、基本的に(私の好きな)あるジャンルの曲をずっと流し続ける。曲名や演奏者を言ってくれたり、メモに書いてあったりもするのだけれど、それが今演奏されている曲のモノかどうか?というのは、けっこう見逃すこともある。

そんな時、「Shazam」というiPhoneアプリを立ち上げると、10秒程度のフレーズから、その曲が何という名前か、演奏者は誰かといったことを、バックグラウンドのデータベースから引っ張ってきて、情報として提供してくれるというものがある。

別にPodcastに限らない。街で聞こえてきた音楽、テレビのCMソングでも構わない。あっ!この曲かっこいい!誰これ?何この曲?こんな時にその曲と出会えわせてくれるエンジン。

 

Yahooにしても、Googleにしても、(最近は音声入力でという切り口もあるモノの)基本はテキストをベースにした情報を検索してくれるエンジン。

それに加えて、Shazamは、音楽やリズムをベースにして曲や楽曲を探してくれるエンジン。たぶん今後、何らかの方法で映像を探してくれるエンジンもできるんだろうし、それを使うシーンも出てくるんだろう。

 

そうした情報に出会う力。使う方も徐々に道具を使いこなしてこそはじめて実現する、次の世界の営み方。