量質転換

はじめからクオリティの高い製品や行動などできるわけがない。であるため、日々練習したり、たくさんの経験を繰り返し積むということで、研鑽をつみ、よりよい行動、よりよいものを生み出そうとする。

もちろん、その基本には、「より良く」ということをイメージしながら日々の行動を積むということで、少しずつではあってもより良いモノになっていく。

「クオリティを上げろ!」と檄を飛ばすリーダーがいる。分からなくもない。が、それを言ったところでどうしようもないということは、多分リーダー自身がよくわかっているはずだ。
優れたチームにおいては、「より良く」というイメージを積み重ねるなどと言うのはメンバーに浸透しているはず。そんな良くわかっているチームにおいて、即効性が出るとは言い難い「クオリティを上げろ!」ということは、ある意味むなしく響くのみ。本来伝えるべきは「“クオリティを上げることを意識し続けること”の意味を噛みしめろ」と言いたいのではないだろうか。
もちろん、すべてのチームが優れたメンバーのみで構成されているとは限らない。そんなメンバーに向けては、「クオリティを上げろ!」という言葉こそが、短く、そして結果的に的確に響く言葉に近いだろう。ただしそれであったとしても、やがてその言葉自体がむなしく響く「ほら、また言ってるぜ」になる日も近いのだが。

そうして数をこなす事により、結果的にそれが質へと転換する。それは「質を考えた数のこなし方」をした場合にのみ、量が質に転換するという差用をもたらす。ダラダラと何も考えずに同じことを繰り返すのみでは、たぶんほとんどの場合にはなにも変化が起きないのではないだろうか。
どこにでも考えるスペース(余地)はある。それを考え切れるか切れないか。