トライ&エラー

世の中、トライ&エラーが簡単にできる世界こそが伸びていないだろうか?

分かりやすいところでは、シリコンバレー。あの地は、スタートアップ、ベンチャー企業がいくつも生まれ、その大半は失敗に終わったりするものの、起業を何度か目指して最後に成功を収めさえすれば大きなリターンを得る。もちろん、それにより世界に大きな価値を生み出す。そんな「場」がシリコンバレー。だからこそ、エンジェル(投資家)も集まってくる。まさに「場」だろう

 

シリコンバレーつながりではあるが、ソフトウェア産業というのもそうとらえることができるだろう。「モノ」を作るなら、それまでなら大きな工場や設備が必要だった。しかし、ソフトウェアを作るには、若干の装置が必要な場合もあるけれど、多くは、パソコン一式があれば何度でも作れる、作り直せる。失敗したところでそれはパソコンの中。デジタル産業は、なんどもその中で安価にトライ&エラーが繰り返すことが可能で、良いものが出来上がった瞬間に、爆発的にコピー/量産可能というところが大きな特徴だろう。

 

そして今、「モノ」作りも、トライ&エラーが簡単になりつつある。3Dプリンターの開発、普及が後押しをしてくれている。以前なら、試作品を作るために、何百、何千万とつぎ込まなければできなかったところが、さまざまな形状を、高価な工場を使うことなく、デスクトップで「形」として作り出せる。もちろん、CADなどをはじめとして3D「データ」で作れる環境が整っているというのも前提にはあるけれど、やはり最後には、手に取れる形、大きさということがとても重要なのは言うまでもない。

 

失敗を恐れない世界、何度もトライできる世界。
それは、正しく失敗を評価してくれる世界でもある。

個人にだけリスクを押し付けず、組織としても、社会としてもそれを受け入れ、当たった際のリターンを、一部ではなく皆で享受する。

さて、あなたの身近で、あなたの職場で、“ただしく”失敗を評価してくれる人たちはどのくらいいるだろう?口先だけの組織や人は良く見かけるのだが。