それはどこで作られるのか

私の場合、小学生から高校にかけて、ラジオが大事なコンテンツだった。AMで深夜番組を愛し、FMで洋楽、ドラマなど様々な楽しみ方を学んだ。

大学では3年までは、単なる通う場所でしかなかったけれど、4年になって講座に所属するようになってからは、実験室ではラジオは重要なコンテンツだった。

 

しかし社会人になってからは、私の場合、ラジオに接する機会はほぼなくなった。深夜ラジオを聞くわけにもいかず、音楽番組に触れる機会はほとんどなく。要するに「音楽」に浸る体験は大学生でぷっつりと途絶えてしまった。

 

職種によっては、社会人になってからも、ラジオや音楽に浸れる人はいるだろう。文字通り、音楽ショップの店員はそうだろうし、漫画家やそのアシスタントなどがラジオ番組を聞いているというのは良く聞く話。小さな事務所では、とある放送局がずっとかかっているというのもありがちな話だ。

 

たぶん大多数の人は、音楽に浸る体験は、学生時代でぷっつりと切れてしまうのではないだろうか?ただでさえこうして音楽に接する機会が減りつつあるのに、女性パワーを仕事に導入などと言う形で、これまでは家庭で聞いていた主婦層まで仕事に引き出せば、余計に音楽に接触している人口は減るのではないだろうか?CDが売れなくなるのも当然だろう。

 

既に今では、曲を聞こうと思えば、まずはネットで探すと言う人が多い。だが、日本においてはまだまだ楽曲がネットで無料で配信されている事例は少ない。それは、コピーされるから、無料で聞かれては元が取れないからと、ネットで配信することを躊躇する。
しかし、耳に届く機会がないのだからそもそも聞こうとしない。聞かれないから買う動機も生じない。

 

ニワトリ卵のはなしにはなるが、どっちがすり寄ってどのように文化を維持するか。音楽/歌と言う素晴らしいコンテンツをもっと広めるために、腹をくくって、今までやっていないアプローチを、テストででも試してみないのか。
自分世代のかつてのヒットソングCDを聞きながら、そんなことを思ってみた。