旅が苦手

今更ながら、旅が苦手だ。

いや、苦手と言うのはちょっと違うかもしれない。より正しくは、他の皆さんが何を楽しんでいるのか?というのが不安だったりする、と言えばいいだろうか。

 

日本国内で旅をする場合。その行く先々で、名所旧跡を巡ったりするというのもわかる。たしかに、素晴らしい場所や景色があったりするのは知っている。そこに歴史があり、それを感じる事こそ意味がある場所もある。
ただ経験的に、ほとんどの場所が普通の場所で、おなじ景色、同じ風景、意味を味わうもののさほど感動はなく。お土産店を訪れたところで、土地の物とはいえないクッキーや団子がならぶ。

 

私は個人的にはそんな作られた場所や作られた楽しみよりも、実は普通の町並みの方がよかったり、何のことはないただの公園や普通の待ち、店、営みの方が興味がある。
でもそういうところは、「何」を見るでもなく、「何」を楽しむでもなく。ただぼんやりと時間が過ぎていく、そんな場所であることが多い。
そう、ここの観光地を見て、パチパチと写真を撮り、次の場所に車で移動して、またパチパチと写真を撮り…という楽しみ方が苦手なのだ。

 

ぼーっとその地に浸る。何と言う事のない日常を過ごす。美しい風景などがあるのも好きだけれど、ただ単にぼんやりと自然に浸る。

こんな楽しみ方をする人は、やっぱり少なくて、作られた観光地、見るべきものが設定された場所でなければならないんだろうか。

すでに秋の深まり、冬の足音が聞こえる。