理論と現実の差分

いわゆる理系では、事実を元に仮説を立て、その仮説が別の事実から実証できることをもって一般化できるとする。

普通ならノイズの多い事象を、もしもノイズがなければとピュアな部分にそぎ落とし、別な言い方をすればより取り扱いがしやすいように簡略化することで、本質に迫ろうとする。

 

こうして出来上がった理論にそって動き出すことができれば、物事が予想できる。先々を見通すことができる。
にもかかわらず、現場ではそうしたことが嫌われることもある。
そりゃ理論的にはそうですが、それは理想論。物事がその通りに行くことはない、と。

 

現場は現実との戦いだ。それは、理論に沿った動きをする部分もあるかもしれないけれど、現実はその通りにはいかない。それは要するに、そこでは理論値よりもその理論を上回るノイズ成分の方が多いからだろう。

ノイズとの戦い。いかにピュアな欲しい信号成分のみを取り出せるかと努力できることもあれば、そんなことすら許されずに、ひとくくりに扱わなければならない場面もある。現場によってそれらはそれぞれに違い、いつも同じ理想的理論のみ展開するのではなく、そこに応じて臨機応変に対処しなければ求める方向には進めない。理想論だけ語っていてもダメだろうし、現実にのみその場しのぎで対処していても効率が悪いだけだ。

求められるのはバランス。どちらにも適切に切り替えられるバランス。