自分の中での価値

歳末で世間が喧しい昨今。ただでさえそわそわしているのに加えて、選挙活動などがあいまってさらに加速している感さえあるが。

 

昨今はいわゆるデフレのイメージが強いせいか、各売り場、各小売店において、バーゲンの時期が前倒されているらしい。ひところのイメージならば、正月三が日明けだったそれが、昨今だとボーナス商戦を当て込んで、場合によっては12月の中旬あたりから始まったりもする。

店頭では「○○バーゲン!○%オフ!」などと言う文字が躍る。
あぁ、この冬に買おうと思っていたあれ、どうなっているかな。最近寒いな、ひとつ仕入れておくかなどなど、理由はさまざまだろうけれど、手に取り、色、形を確認の上、「○%オフ」の文字に踊ってレジに向かう
…ということを何度かした覚えがある。

 

でも。
こうしたバーゲン時期に限らず、たいていのそうした「オフ価格」というのは、定価からの価格を提示しているのが少なくない。ともすれば通常でも2割5分引きで売っているものが、バーゲンで5分値引きが増えただけ、というものもあるだろう。悪質な店舗では、いつもは「通常小売価格」からの値引き率を出しているのに、この時期だけ「定価」からの値引きだったり、別の店では、いつもの値段が変わらないのに「特価○%オフ」という立札だけを立て、そして客はそれに引かれてモノが売れていく、ということもあるらしい。

 

だまされる方が悪いと言われれば、そうかもしれない。買う方は自分の中でのそのモノの価値基準を持つことを迫られている。そのモノの自分にとっての絶対価値はいくらなのかを問われている。安くなったからと言って買いだめしても、そもそも使う必要がなければただの無駄遣いだ。安くなくとも必ず使うモノであれば、それはそれだけの価値がある大切な物。親子はともかく、夫婦や恋人同士の間で話し合うべきはこの価値観であり、何が大切か、何に価値があるのかということこそが重要なこと。
これにズレがあると、そもそも家の中が、お互いのムダのたまり場になってしまうのだから。