「楽」にするのは

人生において、結果に白黒が付くことはよくある事。

いつも勝てればいいけれど、そればかりとも限らない。

ところで、「勝つ」の反対は「負け」なんだろうか?

 

いや、勝てないということは、イコールとして負けているのだろうか?

少々屁理屈めいているが、「勝てなかった」ではだめなのだろうか?

 

そもそも「勝つ」といったところで、さまざまなそれがある。相手と競り合って勝ったのものと、明確に差をつけてはっきりと白黒が付いた勝ち負けとでは意味が違うのは当然の事。

その時の結果として、順位をつけたいのは分かる。が、それにしてもその順位がいつも絶対的な差を表すものではない。

 

デジタルではものを1と0で表すと言う事もあるけれど、それは「1ビット」で表すとするならという仮定の下での議論でしかなく、たとえばある事象を「10ビット」で表すとするならば、そこには1000通り以上の差異を表現することが可能になる。単なる1か0かではない。

 
「デジタル」という考え方が、白黒はっきりと決着をつけるという比喩に使われることが多いのだけれど、白と黒の間にも階調があるのと同様に、物事はすべてはっきりと色分けできない。そうすることでうまく回ってきた、回してきた。
 
世の中、明確にしていいことばかりだろうか?いや、明確にすることで話を進めることもあるが、明確にしたことで、険悪になったこともあるのではないだろうか?
単純化することで、「考える事」としては楽になったかもしれない。でもそれが現実の現場としての「運用」を難しくしていては意味がない。「運用を楽」にするために「少々難しいことでも考える癖」が必要なんじゃないかな?とくに昨今、「考えることを楽にする」方向にばかり動いていないだろうか?