「調べた」と「検索」の違いって

昨今では多くの人がスマホを手にし、何かわからないことがあったりすると、すぐに検索エンジンに頼る。

「えーっとあれ、なんだっけほら…」

と、検索エンジンの上位5つくらいの中に、たいてい答えが表れる。

 

もちろん、そうして便利に使えばいいと思う。

ただ、「検索したこと」と「調べたこと」との違いは意識しておいた方が良いかもしれない。


単に「検索した」だけでは、多くの場合、知識の断片がそこに出ているだけの事。そこにチョコッと情報が付け加えられていることもあったりするけれど、それは「自分の理解」には紐づけられていないことがほとんどだ。

 

インターネットやもちろん検索エンジンなどがない時代。「調べる」とは、大変手間がかかった。情報に当たるだけでも、図書館に行き、本屋に行き、それでも、欲しい情報が見つからないことも。貴重な資料は、それなりの場所にしかなかったりするのは当たり前。そうしてやっと見つけたデータを元に、何かを導きだし、そこから推察されることを見出してはじめて「調べた」だ。

検索エンジンに当たったというのは、そう考えれば当たり前の「検索してみた」にすぎず、データが目の前に並んだ、「調べる」の入り口に立ったに過ぎない。これを「調べた」と呼ぶのはおこがましすぎないか?

 

特にネットが当たり前の子供たちの世代に向け、こうした違い、本質がどこになるのかを、大人が意識して与えてやらなければ、安易な「理解したつもり」の、理解できていない輩を大量に生み出しかねない。

 

とは言え、今の大人が誰かから教えられたか?というと、そこはそれ以前の賢者に負うしかなかったところがあるのだが。