2020年以後

今現在、円の価値を相対的に下げるために、円をジャブジャブ刷っている。当然これに呼応して、円の価値はひところの $1 = ¥90 といったところから、$1 = ¥125 と、円安に振れる。

「黒田バズーカ」なるモノで、これ以上円安に進んでもらっては…なんて言う歯止めがかかったように見えても、やっぱり時間がたてば円安に戻ってきている。

 

かといって、これまでの企業が「円安」のメリットを享受できているかと言うと、そうでもなかったりする。以前は輸出企業だと思っていた会社も、工場の海外移転を早々に済ませ、すでに今や輸入企業の色合いが濃く、「円安」では高くつく(利益が下がる)所も珍しくない。

 

経済視点では、国内は国内で内需拡大…の意識が強いかもしれない。とくに、2020年東京オリンピックを意識して、さまざまな準備を始めていたりするんだろう。

それに向けての「準備」によって景気が上向くのは結構なことだ。が、さて、その後はどうなるのか?所詮、オリンピックとは言え、一カ月程度のお祭り、一時の花火に過ぎない。いつまでも燃え続けない。ドーンと一発屋…では困るはずだ。

 

その後も日本と言う国に魅力を…と、外国人の誘致を目指しているのかもしれない。が、それはそれで、モノづくりとは違う経済施策のはず。

大枠でどうするのか?直近5年の施策などは、企業においてさえ中期計画レベル。国を扱うなら30〜50年規模の大きな施策、方向性を打ち出し、それにそった一つ一つの目標を積み上げることが必要とされるはずだと思うのだが、少なくとも私には見えない。最近の政治家にそんな視点があるようにも見えない。

 

2020年の今頃、どんな仕事をしているのか、そもそも仕事の環境がどうなっているのか?今のスキルで事足りるのか、いやいや、キャリアチェンジも視野にいれなければいけないのか。より若い人が夢を描ける施策、政策とはなにか。

 

ある人と、ざっくり話をしたときに、やっぱり…かな。結局、と悲観的な未来しか見えてこない事に、ちょっと恐怖を感じている。このまま政治家に任せず、個々人での賢い振る舞いで乗り切るのも悪くはないが、所詮個別最適だ。人間は社会的動物として、集団最適が適応できることによって勝ち抜いてきたところがあると思うのだけれど、そんなスキルはすでにどこかに置き忘れてきたんだろうか?

将来が見えないこと、未来が見通せないことほどの、不安、不幸、非効率と言ったら…。