考えなくても

旅行。嫌いじゃない。

日程を調整し、宿を取り、乗り物の予約を取って当日に出かける。一人もよし、旅の家族や友人と連れ立ってもよし。

日本は結構昔から、旅行会社が手取り足取りいろいろとサービスをパッキングしてくれる。列車の予約からホテルの手配。当然夕飯、朝飯がついていたりする。

そうしたパッケージツアーは日本が異常に発達したとも聞いていたのだけれど、最近では、海外から日本に来るツアーにおいて、そういうものもあるらしい。

 

すべてがパッケージされたツアー。ツアーガイド/コンダクターがついていたりするともう何も考えなくていい。折々に注意点を指示してくれる。ここを出るのは○時ですので、それまでに集合だとか、このあたりは○○が名物ですからとか。

どのバスに乗る、どの列車に乗る、どこを見る、どのレストランで食事する…などなど、何も考えなくていい。

 
とっても楽だ。でも何も考えなくなる、いや、なにも考える必要がないというサービス提供。
これは、「旅」の本質の何割かを捨てているような気がするのだ。
旅とは、計画はするものの不測の事態が起きるもの。予定の列車に乗れなかったり、買ったモノが意味不明だったり。海外なら、そもそもコミュニケーションで多大な苦労をしたり。
 
でも、「そうして苦労したうえでの楽しみ」を味わいたい人と、いや、そうではなく本当に「苦労なく、観光の名所だけを回りたい」人と。パックというのは、後者を満たすもの。そのために、面倒なことはお金を払ってやってもらう。旅行者は、自分の欲求部分に近いところにのみ注力できる、そんなサービス。
 
でも、旅の何割かは、面倒なこと、直面するサプライズが面白いはずなんだが、それを面白いと思えるかどうか。自分もそんなに手慣れている方ではないんだけど。
だから、慣れていない人はこのあたりからはどうですか?「料理付きの宿」ではなく、「料理なしの宿」を取ってみて、そこから冒険を始めてみたり。だって、パックツアーでもフリーで回りたい場所、時間ってあるでしょ?やっぱり自由に、でも自分で考えなきゃいけない不自由を楽しんでいたりするじゃないですか。
 
夏休みも近い。
健康と安全を祈って。