全部使えないと損です…か?

自分の親などを見ていて思うのだが、こういう意見が出る。

「新しい機器も使ってみたいが、全部使えない」

“全部使えない”

はっ?全部ってなんだろうか?

昔からそう感じていたのだが、例えばビデオデッキ。今はもうほとんどなくなってしまったが、VHSのビデオデッキで、搭載されていた機能を「すべて」使いこなしていた人は、さてどのくらいいただろうか?

昨今の液晶テレビでもいい。大きなサイズのそれは、フラッグシップモデルに近い物であるほど、多彩な便利機能満載だ。が、それら全機能を試せる環境にある人はどのくらいいるだろうか?

 

もっと最近なら、これだけ広まりつつあるスマートホン。

スマホに最初から入ってくる機能。全部使えてますか?…っていうか、全機能必要ですか?

 
昔から、新たな機器を購入する際に、全部使わないし、と、躊躇する方がいたりもする。だがここは考え方、価値観の問題。
 
さて、その機器を使って何をしたいのか?それを所有する前に、それを使った目的があるはずで。その利用目的が明確でなかったり、あまり価値のない目的しかないのだとするならば、もしかしたら所有する/購入する価値はないはずなのだ。にもかかわらず、せっかくだから購入して、でもあまり使わないとするならせめて搭載されている機能を全部使い倒さないと、などと、目的が「ある機能を使う事」に歪ませなければ、所有する意味を見いだせないことになっていないか?
 
何をしたいのか、今は満たせていない何かを満たす事ができるのか?そもそも本当にそれは満たしたいモノ/コトなのか。
それに対して支払う「価格」が、「価値」に見合うかどうなのか。
 
だから、まずやりたい事の「価値」が分かっていないと、そもそも「価格」判断なんかできないはずでね。だから店頭で「…で、なにがしたいの?」と聞かれて躊躇している時点で、価値が定まってないんじゃないかと。