デジタルネイティヴは、ビジネスネイティヴではないかもしれないということ

すでに今どきの新入社員は、もの心ついたころからパソコンに触り、環境によってはインターネットがあるのが当たり前、という世代。デジタルネイティブなんて呼ばれることもある。

 

そうした、道具の進化による世代間格差はいろいろあったことだろう。電話がないころと普及したころ。ファックスがないころとできたころ。ケータイがないころと普及したころなどなど。

 

電話くらいなら、電話の出方、掛け方は、家庭で学習もできただろう。「もしもし」と呼びかけて自分の名前を名乗り、相手の名前を確認する。当たり前ではあるけれど、そうしたそれまでにないツールを使うための使い方だ。

 

デジタルネイティブな新入社員は、では、デジタル機器に関して通じているのか?

電話ほどに単機能、単純機能であれば、家庭学習で何とかなったところはあっても、デジタルネイティブが意味する範囲、それは、メールの送りかたから、ネットでの検索の仕方、情報リテラシーの活用の仕方に、裏の取り方、情報の残し方などなど、いわゆるビジネスに必要な作法などはまた別の話。そう、それはデジタルネイティブでない会社員が、手探りで進めてきたアナログからの移行をふくめたビジネスリテラシーの上に乗っかって出来上がっている。であるたゆえに当然ながら、デジタルネイティブは、ビジネスネイティブとはまったく次元が違う話、軸が違う話になる。

 

もちろん、学校や家庭できちんとしつけられている人にとっては、そうしたビジネスネイティブマナーもサラリと身に着けられるだろうけれど。しかしそれとて全員ではない。

 

デジタルネイティブ、それは当たり前ながら、ある一面を表すことばでしかない。