全員、という目標

全員合格

時々聞く目標だ。全員、何かに受かる。学校でもライセンスでもなんでもいいわけなのだが。そうして目標値を掲げるのはいい。が、それが同時に、終了条件になっていないだろうか。

 

良く耳にするのは、「目標値」と「終了条件」とが完全に一致してしまっている事。もちろん、そういう事例がないわけではないが、そうでなくても物事が終わることのほうが多いのが世の中。

これらを混同してしまうと、かならず「目標値」にたどり着かない限り、絶対に終われなくなってしまうということが発生する。
 
目標を高く持つのはいい。が、当然クリアーできない場合もある。そこを混同した瞬間に、物事は歪み始める。
 
幼稚園や小学校の宿題での目標ならまだしも、たとえば進学校において「大学進学率○%以上を目標」などと掲げて、もし何人か欠けてしまってその目標値が達成しなかった時には、その計画はその先どうやって進行していくのか?その進学率は、終了条件ではなく、目指す目標値に他ならないことは明確ではないか。
 
大学において、一人も留年させないのは正しいだろうか?
仕事のプロジェクトにおいて、目標値をクリアーできなかった時にはどうするのか?
それらのためには、終了条件を定めておかなければならない。それは目標値とは別に。
当然、目標値をきちんと定め明確化すると同時に、終了条件を明確に定め、明文化しておくことがお勧めだ。
 
定める方向、超えるべき高い目標、そして終わるための条件。
いくつかを混ぜこぜにしてしまうから苦しくなる。
惑わされないように。ごまかされないように。