ビジネスモデルがビジネスを生むか

携帯電話。たぶん、昨今ではお持ちでない方の方が少ないだろう。関東近県では、ひとりで複数台持っている人も珍しくなくなった気がする。電車の中で、1台でメール等々を処理したかと思うと、おもむろにカバンからもう一つの携帯電話を出す。会社名義と、自分のプライベートか。

 

携帯電話ビジネスも、今の状況に落ち着くまでは、結構右往左往した。0円携帯として、ともかくユーザーを増やすために端末を事実上無償で売り出して、月々の利用料金で縛ろうとか。

こうしたビジネス、今は、「2年縛り」と呼ばれるものがある。形態を契約して2年間は解約できない。いや、正確には、解約したければ違約金を払わなければできないよ、というもの。月々の利用料が5000円、7000円になりつつある現在を思えば、違約金1万円程度を払っても、自由に解約してもいいじゃないか、という向きもあるけれど、それ以上に、「違約金」という印象が重しになって、このビジネスを回している。

 

端末代も、昔は0円も許されていたりしたが、さすがにビジネス習慣上よろしくないということで、月々の利用料金で割り振る。まぁ24回払いである。

 

とすることで、携帯電話ビジネスはここまではうまく回ってきた。1人が複数台を使いまわし、カメラ機能、メール機能、最近ではスマホという形でSNS、LINEをやり続ける、生活になくてはならない道具になった。

 

他方で、人々が離れつつある道具もある。ひとつはテレビ。もう、ネットで映像を見ればいいという雰囲気の人も少なくない。さらに自主規制もかなりいきわたってしまい、やりたい表現、見せたいシーンが、スポンサーの意思を考慮すると、表現できない、不自由なメディアになりさがって面白くなくなっているのも一因だろう。

もうひとつはバイク。さらには車。一部の高級バイクなどは、また別の盛り上がりもあるらしいけれど、基本的にはひところのような、若者が手に入れたい三種の神器から、車は外れつつある。

 

これ、もしも彼らにおいてビジネスモデルの革新があれば、盛り返せるのだろうか?

たとえば、月額定額のNetflixなどはアメリカで大成功をおさめ日本に上陸した。以前はアメリカ国内番組も、スポンサーの意向を気にしすぎて不自由なメディアになっていたところを、いやいや、CMスポンサーではなく、直接視聴者からお金をもらうことで番組を作れば、見たい人が見たいものを作れる、ということで、どんどんと内容が洗練され、面白いものができたところが、躍進の原動力になっているらしい。

 

バイクや車はどうするのだろう?今のまま、売り切りでは、どんどんと使う機会が減っていくことで、必要性を感じない世代が広がることの方が怖いのではないだろうか?

だとするなら、たとえばレンタルの延長線上で、もっと気軽に使える、利用できる機会を拡大するところから、もう一度ビジネスを組み立てなおすことで再生できないのか?

 

景気が悪いというのは、欲しいものがなくなってきた、行きわたった、というのもあるだろうけれど、同時に、今の時代にビジネスが合わなくなっているところがあるはずだ。感覚的ではあるが、ここまで「売り切り」でビジネスを構えていたところは、いろいろ窮しているではないか。拡大しようとしているところは、ポイント制度で継続繋ぎ止めを施したり、2年縛りといったあらたなモデルを駆使して、なんとかみんなに使ってもらおうと努力する。

 

さて、次はどんなビジネスモデルがでてくるのか。

欧米に市場をさらわれるに任せるのか。