発展しない発展

経済は、基本「発展する」「拡大する」といった、増加方向への思考、戦略で成り立っているところが大きい。にもかかわらず現実に日本が直面しているのは「減少社会」。

人口は明らかに減りつつある。1人の人に、モノも、サービスも潤沢に行き渡りつつある現在、今以上に豊かさを享受させようとするには、物質的増大は見合わない。テクノロジー的な大きなステップアップか、思想的転換かといった戦略、今までと違うと言うすべてを置き換えないと取り残されますよ的なパラダイムシフトで迫るしかない。

が、それも限界。

 

今まで通りでいいよ、もう疲れた。

と言う人、少なくないのではないだろうか?

 

「今まででいいけれど景気がいい」 というのは矛盾している。いや、「自分の周りは物価が上がらないけれど、それ以外のところで物価が上がって、まわりまわって自分の景気だけはいい」ということを望んでいる人は多いかもしれないが、それはあり得ない相談だ。

要するに、悪いこと(インフレ)は自分以外のところで、いい事(景気上昇)だけ自分のところで起きてほしいなどというご都合主義は、基本あり得ない。

なら当然、このままでもいいか、となったところで不思議ではない。

 

とはいえノーベル賞などでもどんどん日本人が増えているし。これからも明るいのでは?

 

ノーベル賞に限らず評価されているのは「今」の業績ではなく、これまでずっとコツコツ積み上げてきた、いわば過去の業績。もちろん、評価されないよりはされるに越したことはないけれど、「今」受賞できているからと言って、将来どうなるのかは推して知るべし。もしかすると20年、30年後には、国の力として、あの国やその国の後塵を拝していたとしても不思議ではなかったり。

 

発展しないという発展方法。それはたぶん、価値観とか思想としての変革や転換が必要になりそうだけれど。

でも、ビジネスモデルすら海外から輸入してそれになびいて行こうとしているうちは、望み薄かな。