私が世界

三洋電気が消え、シャープがかなり危ない状況に。

ソニーは何とかもち直した感もあるけれど油断ならず。

東芝上場廃止すらうわさされるほどやばい状況に。

自動車業界はそれなりに盛り返しているけれど、家電業界は先が見えない、次の「あたり」が見えなくて。

 

とは言え、必死で技術革新を続け、ヒット商品を目指す。時期を見て商品がリリースされる。一時期の同時に一社からいくつもといった(コンパクトデジカメ全盛時期のような)商品の勢いはない物の、とは言えモデル数は減っても、着実に商品は出さないと商売が成り立たず。

 

そんな中、そうした発表があったのを受けて、井戸端会議などでこんな会話がなされる。

「これは売れないな」

 

「俺は買わないな」ではなく、「これは売れない」。

このロジックはたぶん、

「自分はそれを気に入らない」→「他の人も気に入らないはず」→「気に入らない人は買わない」→「きっと他の人も買わない」→「売れない」という回路が一気に最後まで駆け抜けている。

「俺は買わない(他の人は知らないが)」で止まる人は、少なくとも、「自分と他人の違い」という意識で、いったん思考にブレーキがかかる。短絡的に最後まで思考が走り切らない。

 

最後まで思考が走り切ると言う事は、「俺の考えが一般と同じはず」、「自分は一般の代表的嗜好/思考」といった凝り固まっているところが見え隠れ。

たしかに、絶対にはずれているとは言えないけれど、これだけ嗜好の多様化が叫ばれている時代、違って当たり前という思考がないのは結構あぶなくて。

 

いったん、「俺が世界思考」に入る前に、「自分と世界の境界線」を意識できるか。そこの差異は何か、差異はあるのかないのか。そうした意識でブレーキを踏む癖、つけておかないと。

人との違いを意識できていなければ、自分だけの価値も見えていないことは容易に想像でき。

だから、めんどくさくて、スピードが落ちたり、時間がかかったりもするんだけれど。

でも明らかに、何か違うんだよ、あなたと、あなた以外は。