二つ目の視点

会社で雇われ、日々仕事に追われて働いていると、その会社の中の視点しか見えなくなると感じることがある。

もちろん、その会社が定年まで面倒を見てくれるような、義理人情にあふれた会社であるなら、会社の言うとおり、言われるがままに仕事をすればいい。が、今どきそんな会社はまずない。不要になったら、効率が下がったらハイさようなら。昔ながらの終身雇用と言う言葉はとっくに消えて久しい。会社側が態度を変えている/変えざるを得ない状況になっている、とするなら、当然働き手側も意識を変えていかざるを得ない。昔の儘のつもりでいると、いざという時に必要な手が打てず、路頭に迷いかねない。

 

会社に長くいればいるほど、「その会社の価値基準」に順応していく。これは正しい。が、その会社から離れるに際してはそれは時にネガティブに働く場合がある。「その会社“でしか通じない”基準」に染まっていることがあるからだ。

 

言うまでもなく、それを払しょくする必要がある。外に出た際の外の基準で動く必要がある。そんな一つが英語の実力としてのTOEICだろうし、場合によっては○○免許の数なのかもしれない。

それに精を出すのもいいが、やはり昨今はこちらもお勧めしたい。 いわゆる転職支援会社や、エージェントに登録すること。これにより、市場での自分の価値、視点を得るのは悪くない。

 

私が新入社員で会社に入った時期などは、あぁこの会社で人生を全うするのかな?などと悠長に考えていた人は少なくないはずだが、時代はあっという間に変わってしまった。終身雇用の夢を見ている場合ではない。会社が危機管理危機管理というなら、個人も当然危機管理。万が一のためにどのように動くのか、動けるのか。リスク管理が必要になるのは当然の事。

 

いや、今すぐ辞めろと言うつもりはない。転職支援会社に応募したところで、自分から転職しますという意思を表明しない限り転職にはつながらない。それよりも、今の自分の実力が、「今の社内基準」ではなく「社会基準」ではどのくらいで、どのくらいの給与価値とみなされうるのか?それを知っておいても悪くはない。

もしかすると、今は安く買いたたかれているかもしれない。逆に、過大評価されているかもしれない。前者なら給与アップの相談をするか、場合によっては転職してもいいかもしれない。後者なら、今の会社に振り落とされないようにしがみつき続けるか、新しい力を開発しなければならないかもしれない。どちらにしても目が覚める良い機会ではないのか。

 

視点が固まってしまうと危険だ。見えていないところに危険は潜む。

少し横を向いて、後ろを向いて、自分の周りを見回してみる。

 

#右を見て、左を見て、もう一度右を見て…なんて悠長なことは言わなくなったのかな…。