音環境

独身ならなおさら、家に帰るととりあえずテレビをつける人、というのはたまに聞く話。昨今は録画機の性能も上がり、見たかった番組を取り逃すことも減り、見たい番組をゆっくり見ることもあるだろう。

 

が、「テレビ」という装置はけっこう面倒な装置でもある。なにせ耳と目がそこに縛り付けられる。なので、動けない、他の事ができなくなる。当たり前かもしれないけれど、このしばりつけ効果はかなり厳しい。

 

それに対して、音だけ、というのは、ながら作業を許容する。だから仕事場でも店頭でも、「音楽」がかかっていたり、「ラジオ」がかかっている場所は少なくない。

 

そんな音楽のある環境が好きな人もいる。お気に入りのカフェで、雰囲気にあった音楽がかかっていたりすると、それだけで居心地が良かったりする。

お気に入りの音楽がある環境を得ようと思えば、今までなら有線契約をしたり、もしくは「好みの音楽を選択してくれそうなラジオ局」を選ぶくらいしか選択肢がなかった。

ところが昨今、それに加えて、サブスクリプション契約というサービス形態が広がりつつある。何十万曲もの曲の中から、自分の聞きたい曲を、場合によってはそうしたチャンネルを選択することで、ずっと曲が流れ続ける。それも月額1000円程度で。

 

今後何年かで、既存の職業が必要なくなる世界が来ると言う。これを聞いて、「俺の仕事は大丈夫か?」と自分事として心配する人もいるだろう。

だが、同様に、今後何年かで、今は存在していない作業が、仕事として成り立つ世界にもなるだろう。そんな誰もやったことのない仕事、今までは仕事として考えられなかったことが仕事になる世界。

音のデザイン、パーソナライズスペースでの音場作りなどは、もしかしたらその一つになったりしないかな? 

 インテリアコーディネーターならぬ、パーソナルサウンドコーディネーター的に。