後悔のカサブタ

生きると言う事は、さまざまな局面において、さまざまに選択し続ける事。

今朝はどの服を着ようか?

どの飲み物をどれだけ飲もうか?

どの靴を履いて行こう?

どの道を通って行こうか?

どの列車に乗ろう?

お昼はどこで食べようか?

どの料理にしよう?

等々

いろいろ選択がつづく。選び続ける。

 

そして、それが正解だったのか、間違っていたのかなど、ほとんど意識すらしない。と言うか、たぶんいちいちしたくもない。いつもと違う選択をして、その後に悪い事が起きた際には、あぁ、その選択間違ってたなぁと思うくらいで。それ以外には「選んでいる事」すら意識には上らない。

 

それでも選択している。せざるをえない。なんらかを選んでいる。そして選んだ結果を受け止めている。
そんな中には、自分が意識せずとも、本当ならもっとよかった選択があったかもしれない。意識していたら、良い方の選択肢を選べたかもしれない。そんな気づかぬ後悔が、いくつもいくつもカサブタになってつみかさなり、そして時間によって治癒していく。
良いと思っていたもの、実はそうではなかったもの、すべてが地層のように重なり、自分を形作る。
 
僕らは無意識の選択と、後悔が積み重なって出来ている。
傷ついていない者など、いない。
後悔ばかりに気を取られたところで、時間を遡れないのだから。