動き出すのは
ある会社で、ある組織が、人が重荷になってくる、儲けが出なくなってくる。
それでも昔はよかったのかもしれない。こんな言葉を知っているだろうか?
「窓際族」
言葉の当時は、仕事を取り上げられたみじめな立場として揶揄されたものだけれど、今となっては「窓際」に席が確保されているだけでも立派なもので…。そんな「お荷物社員」は、さっさと部署から追い出したいのが、どこの組織でも考える事。
ただし重用なのは、「その人」が、「その組織構造」や「その上司の下」では効果が出る動きができていないことで、見かけ上「パフォーマンスが上がっておらず」にリストラ対象となる。
なので、そのターゲットとなる人は実は大きく二種類いる。
その組織から離れ、他の組織、他の上司の下に移動することで、めきめきと頭角を現し、活躍しだす人。いわゆる適材適所ではなかった人、実は、今の組織が、上司が、リソースを使いこなせていなかったという場合だろう。これを(a)としようか。
もう一つは、たとえそこを離れたところで、基本的にパフォーマンスが悪い人。だからどこに移ったところでお荷物。正直なところ、様々な面で実力が高く無い人。こういう人を仮に(b)としよう。
多くの人は、自分の真の実力を理解できていない人が多い。これしかできない、これだけできればいいと思っている人が少なくない。だから、なんとか今の組織にしがみつきたくなる。日本人の特性的部分があるかもしれないが、基本、自信がないということ。だから(b)にならないように、(b)だとばれないように…と仕事を頑張る。
一部意識ある人は、自分が何ができるのか、知っている、と言うか知ろうとしている。こういう人たちは、今のその立場で評価されない、認められないなら、自分の認められるところへ「自ら」動いていく。これは(a-1)タイプか。
そこまで自信はないけれど、今の立ち位置は自分の実力が今ひとつ発揮できていないと思っている人がいる。悶々としているが、とは言え自ら動き出すほどの覚悟もなかなかない。が、何かのきっかけに動き出すことはある。これが(a-2)。
自信は全くなく、特殊技能など自分にあるとは信じられない。なにをやってもダメだとあきらめていて、自分では(b)だと思っている人。しかしこういう人でも、組織から強制的にリストラされ、はじき出されたことをきっかけに、腹を据えて動き出すことで、いきなり頭角をあらわしたりする。これが(a-3)。
当然ながら、企業が人減らしに走り出した時、率先して動き出すのは、「自分が他のところで活躍できる可能性が高い、ということを自らが理解している人」から動き出す。だから、(a-1)>>(a-2)>>(a-3)>(b)という順番で動き出す…かな、感覚的だけど。
ただし、企業が放り出したい人はこれのほぼ逆だ、というところが面白いところ。
要するに、企業からは「組織が、その管理職がうまく使えなかった人」を最初に放り出し始める。それは、その人の真の実力にかかわらず。なので、そうならないように、上記(a-1)(a-2)に相当する人は対象から外す形で、退職勧告を出す、のはそういうことで。
自ら動ける人になればこそ、企業はそういう人を抱え込みたい…ができないと。
要は、やはり上司との相性因子は決して小さく無いわけで。人との巡り合いは大切であり、運であり。
面白いね。
いい人と出会えてますか?いや、「待ってるだけ」じゃなくて。