オタクの変遷

1980年代。いわゆる「オタク」の初期世代が生まれた時代。

その大元は1970年代の宇宙戦艦ヤマト機動戦士ガンダムあたりから芽生えていたわけで、それらを牽引する集団に対して「オタク」と命名されたあたりから時代が流れ始める。

彼らは自分の趣味性を信じ、自分たちのセンス、自分たちに共鳴するカルチャーを積極的に取り入れる。そのターゲットが、時代とシンクロしたアニメーションであったことで、アニメ好き=オタクといったレッテルが張られる。

 

当然、アニメ制作側も刺激を強くせざるを得ず、どんどんと過激に。それが高じて80年代は時代の熱気もあってか、特殊性を帯びたモノも出てきたりする。まぁそれ以外のところでは、ビデオテープの発展が何に牽引されたかなどという事象もあるだろう。その中の一つととらえる向きもあるかもしれない。

が、不幸なことにアニメ愛好者を象徴するかのような大きな事件、犯罪者が出てしまう。これにより、一気に「オタク」に暗いイメージが貼られてしまった。

 

そんあ時代から約25年。いまや「オタク」と言う言葉はすっかり市民権を得て、アニメオタクはもとより、ゲームオタク、コンピュータオタクなどなど、さまざまな「オタク」文化が花開いている…ようにも見える。

 

でもこれ、今の「オタク」って、マニアとどう違うのですか?単に、ちょっと言葉が古びてしまい、時代の垢がこびりついてしまったマニアと言う言葉より、オタクが似合う…ような気になって使っているだけではないですか?

 

いつしか、甘いモノ、デザートをスイーツと言い換えているように、いつしか、ミュージシャンをアーティストと言い換えているように、昔の意味のマニアを、オタクと言い換えているだけではないですか?

 

私と私の周りの何人かの意見ではあるものの、昔のオタクは、周りが何と言おうと、当人のこだわり、当人の美意識、当人の納得いくものこそがオタクのポイントでもあり価値でもあった。

けれど昨今のオタクは、何かに少し詳しいとか、何かに少しこだわっているとか、周りが好きだから自分も…といった、少しのこだわり程度ですぐに「オタクレッテル」を張る状態に。

であるがゆえに、人によっては大したこだわりもなく、流行に乗るに等しい程度。

 

まぁこれも時代の流れ、か。きっと、数年後か十数年後には、「今のオタク」は「オタク」ではなくなっているのかもしれない。

そして昔からの、本当のこだわりある「オタク」は、その時には何と呼ばれているのかな。

以外に、時代を動かす人だったりして…、って、もう一部の「オタク」は動かしてるかな。 :)