数字の見せ方

ビジネスのプレゼンテーションにおいては、そのサービスやその商品の、そのカテゴリーでの市場占有率が話題になることがある。

うちの会社/グループは、市場でどのくらいのポジションにいるのか、その市場はどのくらいの経済規模があり、今後どのくらいの商売が見込めるのか。

当然ながら、そうした情報を基礎として、「だから翌年はこのあたりまで狙っていこう。」や「このくらいの儲けが見込めるから、このくらい投資しよう。」という話になる。

 

だが、当然ながら思うような数字にならないこともある。と、業界をより細分化することによって、「見かけの市場占有率」を上げるプレゼンをする者が出てきたりする。

そのような商品を他社が作っていない場合、それこそ商品占有率がほぼ100%に近づく、そんな話だ。が、さすがにそこまですると「バレて」しまうため、そうなるよりも少し広く市場をとらえてプレゼン資料を作る。

ある意味、「上司に怒られないようにプレゼン資料を作る」テクニックではあるが、そもそも会社にとっては意味のある資料とならない場合がほとんど。…なんだけど、何度も見たことあるんですよねぇ。また騙される上司もいるんだよ、この程度のチートで。

 


昨今、ドメスティックな、 特に日本市場で競争しようとする場合、基本的には人口が減りつつあることが前提になる。人口が増えている時と、減っている時とでは、当然ながら戦略やかけるべきお金が変わってくる。国内市場でも、「若者」の数は相対的に減り、「お年寄り」の数は増えるため、そのあたりにターゲットを絞った説明等を作る形で、予算を勝ち取ろうとする。減りつつある中での増える可能性のあるところでの争奪戦。

 

いい加減、「増える前提」の商売がやめられなければ、特に国内市場に絞った商売は立ち行かなくなるだろう。全体のパイが小さくなっている時には、絶対数を読むことが重要になる。市場占有率などを見ていても仕方がない。パイ自体が縮小しているのだ。占有率が一定でも、市場規模の縮小で、今までの考え方通りならば縮小撤退せざるを得なくなる。

 

でも、だれもまだ、「縮小することによる夢」を描けている人がいないんだよね。

このあたり、思想家とか哲学者とか、重要なんだと思うんだけどな。

文系廃止とか言ってる場合じゃないでしょ。