経歴、実績
実際にはもう始まっているであろう、来年春入社のための新卒入社の選定。
当然ながら、新卒社員を選定するために、「実績」はほぼ判断の対象にはならない。
最近の事だから、たまには「学生時代から会社作ってました」なんていう猛者もいることもあるけれど、ほとんどの学生は「学生」であり、会社や仕事の実績はない。なので、「アルバイトの経験」や「サークル活動」を通して、自分が何を学んだり、どんな行動を起こしてきたか、どのように発言するのか、どのように説明するのかを見据えることで、「これから先にわが社において、実績あげていけるかなぁ?」と想像して、採るか採らないかを決める。いわゆる人間を見ている、人を見ているってやつだ。
中途採用はそうはいかない。基本的には「これまで何をやってきました?」がきちんと尋ねられ、それによってどのくらいのポテンシャルを提示できるのか、それがその新しい場所でも通じるのかをアピールする。
しかしどちらにせよ会社の中に入った後は、パフォーマンスが判断される。
成果を出しているのか、効率は高いのか、新しい分野に切り込んでいるのか、後輩は指導できているのかなどなど。
そんな中で、「新しい事業」などをプレゼンしたりする。
「…と言う形で将来が見込めます。」
「君の考えは分かったけど、で、他はどうなの?やってるの?実績は?」
こう聞かれた瞬間に、もうそれは「決断者が、自分では見抜けない可能性が高いです」と自らアラートを出しているに近い。今の情報だけでは判断できない。これまでの他での業績を持って判断したい。
だが、新しい事業、ビジネスは、今までにないからこその新しさであり、過去の判断が効かないのは日常茶飯事。いや、それこそが価値。過去が良ければ先もよい、というのは、今までの延長線上にしか存在しないし、新規性はどんどん薄れる。そもそも他でやっている時点で、何を判断しているのかわからない。
ただし、昨今は過去の実績すらも目を瞑って見過ごされる判断状況が存在する。
確かに経歴に関して嘘をついていたのは悪いかもしれない。が、だからと言って「今の実力」を判断する事とは切り離して考える考え方があってもいいのではないか?
過去は過去、実力は実力として判断する社会なのか、それとも、やはり過去からの清廉潔白「のほうが重要ですよ」という社会なのか。
マスコミはもちろんだが、たぶん僕ら一人一人につきつけられている。
今の実績を見てほしいと思っている人、いかがですか?