思考して気付く

今の技術がいろいろなところで発達、進化することで、今現在人が行っている作業の8割がたが、ロボット、人工知能、自動運転などで置き換えられるとしたならば。

 

それによって、今その仕事についている人たちの仕事は、事実上消滅する。もちろん、それによって生まれる新たな仕事、たとえば、そうして自動運転しているロボットのメンテナンス、人工知能の知識データベースのブラッシュアップなどという、今はまだないような仕事も生まれるかもしれない。が、そうしたものは往々にして、高度な知的労働が求められるものであり、さらに今ほどの人数は必要ない労働であることも少なくない。

 

ということは、社会全体は、便利になった、効率が良くなったことにより、社会資本全体は、高効率、安いサービス料で回ることになるかもしれないけれど、そうした効率化された事による効能は、それで仕事を失った人たちには回ることはまずなく、そうしたサービスを作っている法人、もしくはそうした法人の株主たちにのみ教授される利益になるのでは…。

要するに、便利になればなるほど、今の仕事が自動化されればされるほど、人はより高度な仕事にシフトしていく必要があるのはもちろんなんだけれど、それについていけない人々は、振り落とされていくんだよ、ということが前提だよ、ってことに気づいているかどうか。

 

こうした(振り落とされる前提の)未来をみんなが望んだんでいるんだろうか?高効率な社会で「みんなが等しく」楽に生きる事ができることを望んでいたんじゃなかったんだろうか?

もちろん、だから競争がすべて悪いなどと言うつもりもない。競争によって人類はさまざまな点において素晴らしい技術やサービスを手に入れてきている。そのための努力をしている人には、それなりのリターンがあってもいいはずだと思っている。

しかし、それが極度に行き過ぎた場合、もらえる人は莫大にもらえるけれど、もらえない人は極貧に陥る…というのは、努力に応じた利益の再配分と言う点での是正する仕組み、力が、うまく機能していないということ。たぶん、政治が多くの理想とする形として回っていないと言う事。タックスヘイブン問題もこの延長線上っぽい。

 

こうした仕組みを少しでも是正するということの一つとして、たとえばベーシックインカムなどと言う言葉が聞こえてきたり、少し議論され始めてきているのだけれど、それらに「切り替える」となると、現行システムからのスムーズな切り替えを実現するための移行期間と、遷移の仕方を、誰からの不満もないようにするための議論、決断をする…と、想像するだけでも天を仰ぎたくなるほどに。

 

と、今の各政治家は、目の前の分かりやすい事象に対処し、自分の再選を確実なものとすることを目標として日々仕事をしているのかな。しみったれた個人の私服のみを肥やしていないか?

100年後の日本とか、未来を見据えた政策とか、「本気」で考えている政治家も、もちろん官僚も、どこにいるんだろう?

100年安心の年金制度?へそが茶を沸かすとはこのことか…。