なすべき事

小学校、中学校という義務教育を終え、ほぼ99%の方が通う高校を卒業して、一部は大学に行き、一部は就職へと進む。

学校時代は、学校/先生から、課題が出され、この教科のこの内容を理解せよ、覚えよと指示が飛ぶ。むつかしー、めんどくさいーなどと戯言を抜かしつつ、定期試験でその理解度、記憶度を確認しながら、ある一定レベル以上の知識を詰め込んで学年を終える。

 

だが、大学あたりから少し風向きが変わる。何を学べなどと言われることが徐々に減ってくる。言われている事だけをこなしている時代から、何をこなさなければならないかを自分で設定しなければならない時代へと移り変わる。

…という意識をもっている人がどのくらいいるのか。

要は、社会へ出ると言う事は、「上司の言う事をこなしていればいい」ではなく、「超えるべき課題設定をして、自ら成長せよ」という時代に入ると言う事。

もちろん、入社当初は右も左もわからない、会社のルールなどもあるので指示が飛ぶことが多いけれど、早晩それも減ってきて、やがて「仕事」を生み出し、それを「こなしていくこと」で生業を立てていくことが求められる。

 

だから、自分に適切な問題設定をできるか否か。

 
簡単に「ハシゴ」で考えてみよう。
ハシゴは、各段の間隔が適切に設定されているからこそ、登りやすい。
つまり間が狭過ぎたら、一段飛ばすなんて事を平気でするだろう。
これが、各段が開きすぎていたとしたら?次の段に手が届かない、足が届かない/上がらない、では、さらに上には登れない。
 
現実、皆さんが直面している仕事はというと、目に見える「段」は、ない。が、一つ一つ高みに進めていかないと、仕事としては、ゴールには到達しない。
その次へ進むための足場設定、どこに次の段を置くのか、こそが「問題設定」。学校ではそれを適度に分解して、上がれるように段付けしてくれていたけれど、仕事はそうはいかない。今年越えなければならない「高さ」を設定し、でもそれは一度に超えられないので毎月そこに近づくべき「高さ」を設定し、それでも一度には越えられないから毎週超えるべき「高さ」を設定し、確認しながら進む。
 
もちろん、超えるべき「高さ」が分からなければ、今週超えるべき「高さ」もわからないので、やるべき内容が分からない。進捗が分からない、となる。
 
なのですべきことは一つ。超えるべき大目標を見つけ、それに近づくべき中目標を設定し、その中目標をこなすために小目標、極小目標を設定して超えていく。
カーナビで目標地点を設定すると、「○○まであと、○mです」という役目も自分で担うことになる。
適度な目標、適度な課題設定。小さすぎると飛ばしていい加減になり、大きすぎるとそもそも越えられずにあきらめてしまう。この、「自分のモチベーションを保てる程度に、適度な目標/課題の設定能力」を、どこで、誰に習えるのか…。