無いものを追いかける人

理論的にはそうでも、現実世界にはまずありえないものということはいろいろあるだろう。物理学者が「重力波」を追い求めるのとはわけが違い、普通の会社員が「すべての仕事をうまく回す、たった一つの優れたやり方」を追い求めたところで、そんなものがありえない、というのはだれしもわかること。

…だが、質問として、期待として、そういうことを知りたがる人はいる。

 

「これだけやっておけば十分…っていう最低限やるべきことって何でしょうか?」

 

あまりに当たり前の事なら、正直にとか、嘘をつかないとか、そういったことだろうか。計画はきちんと立てましょう、みんなには公平に付き合いましょうとか、依怙贔屓しないとかとか。

でも、そんな回答を期待して聞いていない人は、

(ほーら見ろ、やっぱりないんだよ、そんなやり方、いつもとおんなじ、かわんない…)

と、鬼の首を取ったように。

 

そうならないように、いくつかの具体的パターンに分けて、場合によっての対処を答えたとしても、

(やっぱり絶対の解はないじゃん、そんなの俺には無理だよ)

と、こちらも放り出す。自分でやるべきことをほったらかしにして。

 

無いものを追いかけても仕方がない。いや、立場によっては完全理想を追いかけるべき価値あるものもあるかもしれないが、その役目が「あなた」なのかは、胸に手を置いて考えようではないか。

 

それ、本当にありそうですか?人に押し付けて、気持ちいいだけではないですか?
努力したい人、本当に解決したいなら、いくらでも協力します。が、押し付けたいだけだったり、言い訳を作りたいだけなら、互いにお時間の無駄ですから、どうぞお引き取りくださいな。