攻略本市場

携帯ゲーム機市場のかなりの部分を、スマホ向け配信ゲームで市場を取られた感のある昨今。電車の中で見ていても、みんな、「時間つぶし」のための簡単なゲーム、指でなぞって崩すことで、その場の満足感を得た気になるゲームが横行している。

 

たぶんこれによって、一部棄損した市場があるんじゃないだろうかと考えてみた。それは「攻略本市場」。

 

みんな忙しくなり、ドラマ性のあるゲーム、読み解いたり、かなり考えなければ解けないようなゲームは敬遠され、簡単に満足感を得られるゲームにシフトしている。であるがゆえに、当然ながらそうしたものを解くためのヒントも必要なくなり、またネットと接続していることで、ネット検索でそこそこのヒントが得られるようになり、攻略本市場はかなり縮小しているんじゃないか?

 

攻略本ではないけれど、それなりの解説本という市場もあった。

「できる○○」

「わかる○○」

○○には、オフィス系ソフトの代表格のものの名前を入れていただければわかると思うのだが、難しい機能を使いこなせるように、全面多色刷りのカラフルなムック本のような形態の本が、各種売り出された。かなり儲けた出版社さんもいると聞く。

しかしこれらもたぶん、全員ではないにせよ、かなりの数の方が「そんなことは検索すれば十分」になりつつある昨今。

 

ネットで情報が供給され、ネットで対応済みとなり…。

 

と、商売が成り立たなくなっているようにも見えるわけだが、その一方でたぶん今までなかった、ネットで検索することでそのページ閲覧数を稼ぎ、それによるアフィリエイト収入という形での儲けを得ている人がいるはず。

これを理解できる人はそちらにシフトし、できていない人は不思議に思うというだけの話なのかもしれない。

 

時代に、状況に合わせたお金の稼ぎ方、生業の立て方を考え、変化し、対応していく。

対応していくためには、「時代に流される」こともあるだろうけれど、より効率的に流されて/流れていくためには、それなりに考えていかないと。