何かを「する」と決めたことは

早いもので、4月から始まった今年度もいよいよ下半期。気分的にはあっという間に年末が近づき、あっという間に年度が終わるあわただしい時期でもある。

 

新しい年度に入って、今年度はこうしていこう、こんなチャレンジをしていきたいなどといろいろと考え、その上で人によっては実行してきた人、なかなか思うようにいかなかった人もあるだろう。

そんな、「今年はこれをやろう」「次に挑むのはここだ」などと決めるということはどういうことなのか?

 

個人にとって、何かに挑むというのはかなり大変な事。「それ」をするために時間を使うということは、以前は何か別のために使っていた時間を、それに振り直すということになる。当然ながら、以前やっていたその時間分の「何か」はできない事になる。
たとえば、受験勉強をしっかりやるために、部活を卒業するなどというのがそれ。部活もやりつつ…となると、結果的に睡眠時間を削って…などということになることも。

当たり前すぎることなのだけれど、「何か新しいことに挑む」というのは、「それまで何かに使っていた時間を削る/やめる」ということの裏返しでしかない。もちろん、単純にやめるということもあれば、以前やっていたことは時間を効率的に使うことによって…とやり続けることも不可能ではない。

 

組織や会社において新しいことにチャレンジするということも、本質的には同じだ。使える社員のリソースには限りがある。伸びている会社、社員がどんどん増加している会社であれば、その増えたリソースによってチャレンジする領域を広げていくのもわかる。けれど社員がそうそう増えない中で、何かを増やすためには、基本的に何かを減らさなくてはならない、もしくは、以前から行っている何かの効率をあげなければならない。
であるからこそ、昨今の組織、会社においては、「効率をあげよ」ということが至上命題として現場に降ってくるのであり、とは言え当たり前のことながら無限に効率を上げることができるはずもなく、疲弊する現場を生み続けている悲しい連鎖がある。

 

だから、基本的には新しい何かに挑むことを決めるということは、何かをやめることを決めるということ。この覚悟をどこまでできているのか。
いや、それでも変わり続けなければ生き延びられないのだけれど。