成長時代

赤ん坊は生まれてからどんどん大きくなる。親はそれが楽しみ、でもあるが、洋服をはじめ、すぐに着れなくなって大変でもあり。

物理的大きさは、人により差異はあるものの、まぁ二十歳あたりで止まる。人間においてはそこから、物理的に「大きくなる」という成長から、精神的に「成熟していく」方向にシフトチェンジが起きる感覚だろう。

 

経済も成長する。その前提においては、借金は「お得」だ。なぜなら、お金を借りてでもそのモノを手にすることで、その時の貨幣価値で手にできるから。経済成長するに従い、モノの価値はさらに増え続けるも、借金はその時の値基準で固定することとなり、本人としては相対的に小さくなる。

だから、成長するから借金をするとも言える。

が、成長させるために借金をするとも言える。

 

手持ち資金では限界がある。だから借金で「ブースト」して、経済も技術も、次のステージへと一気に持っていく。

だが借金できるには信用がいる。万が一それで価値が出なければ、「死に金」となるからだ。だからできそうな奴やりそうな奴をみきわめる。

 

だが、もう何年でもいいが、ずっと経済成長が実質的に停滞している。日本だけではなく、世界的にもこの傾向だろう。成長しないのだ。

だから、こんな時期の借金はその時の負担のまま。…からこそ、みんな借りない。時間がたったとしても、軽くなってくれないのだ。

借金しない中で少しでも借りてほしいと思う側は、金利も安くする。が、成長しない経済では、小さな金利負担でも大変なので借りない。だから国としてはその一つとして、「金を刷ってばらまいてでも」なんていうヘリコプターマネーの政策さえ話題に上がる。

 

まだ世界全体でみると、先進国以外の他の国では、経済的成長の余地があるだろう。が、それを支えるだけのエネルギーや、資源が無尽蔵にあるかはかなり怪しい。「地球」は無限ではないのだから。

人間が、物理的成長から精神的成長に切り替わるように、ある意味、「お金」という経済的成長以外に、人々を支える、欲しい!貯めると意味があると思える新たな「道具」の発明が必要なのかもしれない…けど、誰か天才が生み出すのか、それとも混沌が続くのか…。