街にそれが増える日

日ごろ関東一円で仕事をしていて思うのは、なんと便利な鉄道網か、ということ。網であるが為に昨今は非常に遅延トラブルにも巻き込まれるけれど、それでも列車中心で街を行き来できるという交通網は非常に便利だ。であるがゆえに、知人においては車を持たない人もいる。利用頻度から考えればそれもありなのだろう。

 

仕事の都合で地方都市に出かける機会が、年に何度かある。

私の仕事の関係上、そんなに過疎地に赴くことは少ない。だがやはり地方では、鉄道網などまずなく、車で移動するのが普通。それも昨今は、若者はどんどんと都会へと出て行って、その街に残されているのは、高齢者か子供かが中心に。

地方では、バス(があるのならまだまし)か、自家用車か。いわゆる車が生活の足になっている。街中を歩いている人を見かけることは少なくなり、すべての人が、車に乗って、バスに乗って、「点から点」へと移動することに。

街に車と駐車場が増える。すでに地方都市では当たり前に目にする光景だ。

 

では都会は何か別の物が増えるのか?同様に、やはり車で家の前から移動手段を使いたいという人もいるが、上記のように、都会は鉄道網を使う人が多い。であるがゆえに歩行者人数が相対的に多く、車の運転も、地方の田舎道とは違って、神経を使う作業。

多くの人々は歩いて街に出る。駅近の不動産物件が高値で取引される要因でもある。

 

だが身体は衰える。老人世代の増加は皆さんご存知のこと。以前なら、駅から10分20分は平気で歩いて通えていたところが、だんだんとつらくなる。どこかで一休みしたくなる。

…と、街中に増えるものひとつが、「座る場所」だ。

ちょっとした店先に、広場に、人の集まるところに、椅子が増える。

最近では有名デパートの中にも、そこに出ている店舗のための、というわけではない「椅子」が、あちこちに準備されているのを目にする。

 

たぶん早晩、これを起点にしたビジネスが始まるのだろう。ココに広告を乗っけるところから始まり、電源付きやWiFiつきなども出るかもしれない。IoTとのつながりなどももちろんあり得るだろう。

街中にそれが増えるもの。それこそがチャンスの種では?

何にせよ「増えてから」ではもう遅い。「増える前」に準備をしないとね。