良かったのはあの頃

この先に期待する未来が見えなければ、当然のように過去の栄光を懐かしむ。

あの頃はよかった。今はどうだ(こんなにひどい)という事に。

だからこそ、先に進むことをやめ、今よりは良かった以前に戻ろうとする。このまま進んでも期待が見えないから、前に戻してくれという。

 

もしかすると、それは現在の経済理論の限界なのかもしれない。その先にいくら小手先で対処したところで、理想のように未来がバラ色に発展しそうにない。富は一部に偏り、貧しいものはいつまでも貧しいままに。

だから世界が逆回転し始めている。今より良かった過去に戻ろうとしている。

 

だが、賢いものは歴史から学ぶ。と見てみると、一つに集まろうとして理想が崩れ、やがて離散したはいいものの、でもやはり効率を求めてもう一度一つになろうとする。

要は振り子のように、右から左へ、左から右へと振れている。

一番端にいる時には、スピードは遅くなり、安定しているかに見える。が、いったん逆方向に振れだすと、ドンドンとスピードは上がりだし、止められなくなり、ふと気が付くと全く反対の側に行きついている。

左右の中立ポイントである「真ん中」は一番勢いが強いところであり。「真ん中」というバランスが良いところで居続けようとしても、あっという間に反対側に触れていってしまう。それが振り子。

バランスが取れていること(中心に近い事)に安心していては、たぶんあっという間に「あちら側」に持っていかれる。バランスがよさげなところは、一番変化のスピードが速いところでもある。

 

すでに彼の国は対極で固まり始めている。ヨーロッパも変化が起きそうだ。

過去を問い詰めることの重要性も分からなくもないが、それができるのは余裕がある時だけだろう。

この国の行く先は?あの頃の方が良かった…って思ってる人、少ないですか?

あの頃を超える行きつきたい先は有りますか?