勝つことと

ゲームやスポーツ。それはある意味での「戦い」を模倣した形に落とし込んだもの。

だからこそ、勝ち負けがはっきりしたり、そのためのルールが細かく設定されていたり。こうした勝負の場が設定されることにより、わかりやすく、素早く結果が出せる環境が良いところでもあり、平和的に切磋琢磨できるところが利点の一つ。

 

だが「実際の闘い」や「争い」がそれによってすべてなくなった…と言うわけではない。国同士の覇権争いで、今や非常にキナ臭い状況になっている。

 

ビジネスの世界も、デジタル社会、ネット社会になって、ルールが激変し、それに対応できない企業がボロボロと消え去り、新しい会社がメキメキと頭角を現してきたこの20年。勝者と敗者はある意味鮮明に分かれてしまった。

 

しかし思うのだ。特にビジネスにおいては、「自分たちが勝つこと」と「それにより誰かが負ける事」はイコールではない、と。もちろん「相手を負かすことで勝つビジネス」も存在はするけれど、すべてがそれではない。
となれば、こうとも言える。「大きく勝ちはしないかもしれないが、負けない事」はありうる。

昨今の日本の企業において、労働人口減少もあいまって、ビジネス環境はかなり厳しい状況に置かれている印象を持っている。景気が回復していないことでジャブジャブとお金を刷っている現状があるけれど、すでに労働者を奪い合う状況は、正規社員、非正規社員ともに見え始めている。賃金も上げていかざるを得ないだろう。そんな中でどうやってビジネスを継続していくのか?

どこかに勝つ!…のも手だけれど、負けない事、会社経理上、赤字にならない事こそが一つの大きな視点だろう。負けなければ次につながる。次のチャンスにまでつなぎ続ければ、いつかは大きく打って出られる時が来る。そこまでは「負けない」事。

 

それこそが、世界に一つだけの…って意味じゃないのかな。